クルーズ船による海洋汚染問題

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クルーズ船による海洋汚染問題


コロナ禍前のクルーズ旅行は人気で、パナマ運河を通れなくてもクルーズ船を大型化して、大量の乗客を運ぶことに各クルーズ会社は専念しました、それは人気のクルーズルート(航路)が、北極海から地中海・フロリダからカリブ海・アジアの各都市と世界一周のクルーズより良いところだけを訪れるクルーズが人気になったからです。
 これは顧客層が高齢で病院での治療が必要なケースが多く、長期のクルーズに耐えられないくなって来ているからです。
多くのクルーズ船は、15万トン~20万トン越えの船が主流になり、
乗客数は4000人から5500人と巨大化し、船員や宿泊サービスを含めるスタッフを合わせると最大で1万人の人がこのこれらのクルーズ船で暮らします。
 1万人の人口を一緒に運ぶ燃料と生活を支えるための電力や水、食料の量は、港しか資源の確保が出来ない船舶ではより多くの物や燃料が積載されています。そして、消費されます。
 この動く巨大ディーゼルエンジン シティー大量の二酸化炭素や硫黄酸化物を排出しながら、その地域で最も美しい海域を航行し最も人口の多い港に寄港しましす
 停泊中も乗客が乗船していますので、冷暖房は常に稼働し、汚水も発生します。
 考えてみてください、皆さんの家の前にエンジンを掛けっぱなしの大型トラックが数日間駐車していたら、排気ガスは気になりませんか?ドライバーの生活排水なども長ければ考えに浮かんでくると思います。
 海の排ガス規制は陸上の排ガス規制と比べかなり緩やかです。その結果、船のデッキでの大気汚染レベルは、公害ワースト都市の大気レベルに匹敵しています。


クルーズ船の何が問題ですか?


大きな問題は3つあります。

大気汚染問題


数巡万トンの船を動かく船の燃料は、ほぼ重油(HFO)を燃やします。船が巨大化したことにより、船を高くして客部屋を確保するため(窓が付いている部屋の方が高い値段で貸すことが出来ます)風の影響を大きく受けることになりました。すると、エンジンの力も強力にしないと風に逆らって真っすぐ航行できないため、より高出力なエンジンと居住性を快適にするため、巨大な発電用のエンジンが別に設置されています。
 一般的な車やトラックには厳しい排ガス規制が各国で取り決められていますが、それでもディーゼルエンジンによる大気汚染は収まりません。船には特に排ガス規制が無く、停船中や速度を落とした時のデッキの大気汚染は、長期にわたる居住が健康に被害が出るほど深刻な大気汚染の状態です。
 また、重油には有毒な硫黄が多く含まれており、この量は自動車用ディーゼルの約3500倍の汚染になります。改善された船でも自動車用ディーゼルの約500倍程度です。
 2017年、ある有名なクルーズ会社が所有する高級クルーズ船数十隻が排出する硫黄酸化物SOxは、ヨーロッパの2億6000万台以上の全ての乗用車約10倍の硫黄酸化物(SOx)をヨーロッパの海で排出したと報告されています。
 また、クルーズ船旅行は季節の良い春から夏に集中します、すると光化学オキシダントやその他のスモッグの光化学作用により、港街の停泊中の大気を人間や動物に対してより有害なものにしています。
著名なNGO 交通と環境(Transport & Environment)より一部資料を引用 
寄港地で触媒などを使い、硫黄酸化物(SOx)の排出を少なく見せている船会社もあり、廃棄対策も巧妙化しています。


海洋廃棄問題


殆ど全てのクルーズ船で何かしらの海洋廃棄を行っています。
トイレの汚水などは(洗浄剤を含まない)バクテリアで処理できますが、洗浄剤や調理用油などはバクテリアで処理出来ないものが多くあります。
 また、プラスティックなどのごみも圧縮して、持ち帰るクルーズ船もありますが、場所や匂いを伴う廃棄物を航海中に保管できるスペースのある船も少なく、また立ち寄る港でそのごみを回収できるだけの処理能力もありません。
 高額な罰金より処理・廃品回収費用の方が更に高額と言う試算もあるぐらいで、ばれるまでプラスティック廃棄物を海洋廃棄して罰金の支払いに応じます。
 クルーズに人気のヨーロッパ北極海からエーゲ海、アメリカフロリダからメキシコ湾からカリブ海では、海洋プラスティックが近隣国の沿岸に漂流したりしています。


#海洋プラスティック問題   #マイクロプラスティック問題

ニュース報道
客船世界大手のクルーズ船業者に対し、バハマ海でのクルーズ航行中にプラスチック廃棄物を海上に不法投棄していたとして2,000万米ドルの罰金支払を命じた。同社は2016年にも油で汚れた船底汚水を違法に海中に排水した行為で4,000万米ドルの罰金支払を命じられており、5年間の執行猶予中に追加罰金を命じられた。
著名な国際環境NGO 地球の友(Friends of the Earth)より一部資料を引用

フードロス


多くのクルーズ船で、給食の効率化の為にビュッフェスタイルが導入されています。
 ビュッフェスタイルの楽しみは、多くの料理の中から自分が好きなものを選んで食べる事ではないでしょうか。
しかし、すべての人が同じものを好きで、同じ時間に食べたいかは、答えは違うようです。廃棄量を見ればその答えは間違えです。クルーズ船での調理廃棄を含め約30%~40%程度の食料が廃棄されているという試算があります。
総乗員数よりも30%以上多くの食料が常に船積みされている、または、購入されている。

対策


客船に自然エネルギーや帆船化することは難しいと思います。
 クルーズ会社は、乗船料金を下げカジュアル層にまでマーケットを広げています。
その為、利益を産まない排ガス、ごみなどを大きな海に隠してしまいました。しかし、それが隠し切れず現在大きな環境問題に発展しています。
 大気汚染問題は、造船の段階でのメタノールを使った低ディーゼルエンジンやスクラバー触媒などの設置と寄港中の陸用電源の取り入れ、冷暖房の更なる効率化とIotを含めた自動節電
海洋廃棄問題は、最新のプラスティックゴミ格納設備と施設並びに廃油や化学薬品を含んだ汚水処理設備施設
フードロスは、料理を乗船料金に含めないなどの対策が必用かもしれません。

コストはかかると思いますし、利用料金も上がるかと思います。しかし、クルーズ船の最大の財産である、観光地や海域の自然を守ること彼らに課せられた責任ではないでしょうか。
タンカーの座礁が最近ニュースで多々報告されています。既に船員は外国人で構成されていて、航海の責任者である船長ですら外国人です。リモートでの監視管理技術を取り入れた航海管制システムの導入が急がれるのではないでしょうか。船長に常識が有っても、海難事故は起きますし、異常気象は航路を更に危険な場所に変えています。
座礁は経済的な利益の喪失だけではなく、海域の環境の喪失にもあたります。コストは上がりますが、事故の費用と比べその価値は小さくなるはずです。

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